[一口、『ソレ』を口にした時――ニコラスに激震が走る。
肉汁が溢れ、味覚を圧倒的旨味が支配する!口内の暴力的なまでの快感が伝播し全神経へと染みわたる!喉は歓喜に濡れ胃は悦楽に喘ぎ双眸と唇からとめどなく幸福のナミダが零れ落ちた!]
――むっふぉっ!? 美味い…美味すぎるッ!!?
なんだ、なんだよこれっにいさあああん!!
完全に『家庭料理』という枠を逸脱してる!!
『セックスドラッグロックンロール、
あと兄さんのハンバーグ』て言っても足りないぐらい!!
兄さんが取るべきは教員免許じゃなくて調理師免許だったんだ ――この才能はこんなところで埋もれていいものじゃない!
兄さんの為すべき偉業の前に、人の寿命は余りに短い
…そう!もう一刻の時間も惜しいんだ!!
兄さんの料理を広めることが、人類を新たなステージへと
昇華させるに等しい行為なんだ、エボリューションだよ!!
行こう、兄さん! ―――― パリへ!!
[そうして俺たちは一歩を踏み出した――果てない偉業へと!完]
(-220) 2015/11/23(Mon) 00時頃