― もしももしもな可能性 ―
[こちらにまっすぐ向けられた杖に、迷い無い呪文を唱える声。
なんなの。なんなのなんでなの。
ぴっと彼の呪文を防ぎきれなかったせいで頬にぴりりと赤い線が走り、たらりと血が垂れる。
――ぷつり]
…ぁは、あはは…
あはははははははっ!
ねえオスカー、あなたはしあわせが要らないというのねわたしのじゃまをするというのねわたしにいたいことするんだね、いやだやめてよ
わたしわるいことしてないよいい子にしてるもん、なのになんで、ねえなんで!
ずるいよ、みんなばっかりしあわせもので!
[はじめは俯いてぼそぼそと話していた声も段々と声量を増して。嘆くような言葉を叩きつける。
言う本人も、自分が何を言っているかはわかっていない。ただ胸の中の何かを吐き出したくて。もっと何か言ってやろう、それだけの思いでつかつかとオスカーに歩み寄って行こうとしたか
だから、足元に転がる死体にも、鋭く尖った瓦礫にも気が付く事は出来ず]
(-186) ui6 2015/02/18(Wed) 21時頃