─ 回想、いつか問われた事 ─
[>>2:-311冷たく見えるかと玲華に問われた時、悪魔は胡乱げにその双眸を細めて玲華を見つめた。]
さぁてな。お前さんは、自分の事をどう思ってるんだ?
他人の評価と自己評価が食い違うってえのは、よくある事だぜ。
名前を間違われる、か。そいつぁちいとばかし、切なくなるわな。
[名とは自己を証明するもの、自己を認識するもの。
冷めた華という間違いの名を貰えば、確かに玲華が己をそう認識してしまう事もあるやもしれないと、悪魔は内心で納得していた。]
冷めてるなら、あっためればいいんじゃねぇか。ほんの少しだけでも温められる何かがありゃあ、お前の華もそのうち元の音色を取り戻せるかもしれねぇだろ。
人の評に惑わされて、テメェ自身で冷ましてるだけかもしれねぇかもしれねぇが。
[玲華を冷たいかどうかで判断した事はなかった。
ただ少し、素直さが足りないとか、ちょい見方が斜めだなとか。
子を見つめる視点であれば心配ではあるが、人を観察する悪魔としては、その部分は大層好ましく、愛おしいとさえ思えるくらいだ。]
(-157) 雪夜 2015/01/23(Fri) 23時頃