〔扉の隙間から差し込まれたのだろう。
部屋の床に手紙が落ちている。
いびつで右肩上がりの文字。セレストの署名がされている。
文面は以下の通り]
『信じがたいかもしれないが、ゆうべ一年前のあの夜の夢を見た。
もう幾度か同じ夢を見ている。
その中で、実は私はいつも、ハナと一緒にいるんだ。
ハナは、確実にあの時死んだ二人の内の一人じゃない。もちろん私も。
何故お前に打ち明けるかと言うと、昨夜の夢の中で、私はお前に会ったからだ。
あの事件の夜、生き残った私たちの傍にお前は確実に居た。
だから私はお前が生きていると信じる。
私が夢を憶えている事を、”儀式”の前に皆に言おうと思う。
でも、ハナの名前は伏せておきたい。ミッシェル、お前だけにハナも生きた人間だって事を打ち明けて置く。
このことがどう役立つかはわからないけど、もし、私に何かあっても、ハナの事を信じて守ってあげて欲しい。
もしお前を危険な目に遭わせたなら、…すまない、許してくれ。
(-92) 2013/02/06(Wed) 17時頃