―託された手紙―
[宛先は、数年前まで毎日のように通っていた病院。
オフホワイトのシンプルな便せんには、黒い万年筆で書かれた柔らかな文字が並ぶ]
親愛なるキャサリンへ
お久しぶりです。その後、体調はいかがかしら。
まだ夜は冷える日もあるから、どうぞ暖かくしてね。
うちはようやく末の弟が学校に上がって、
毎日あれやこれやと、学校での冒険譚をお話してくれるようになりました。
昼間に時間が出来たのは嬉しいけれど、ちょっとやんちゃが過ぎるのが悩みの種です。
校庭探検の成果として両手いっぱいのダンゴムシをプレゼントされた時には、思わず腰を抜かしそうになってしまいました。困ったものですね。
それから
[書きかけの所で、最後の文字が歪んでいる。
弟の襲撃を受けたのだろう、便せんの下半分は元気いっぱいのクレヨン画で埋め尽くされていた。もちろん、まるまるしたダンゴムシも描かれている]
(-60) 2013/05/23(Thu) 23時半頃