108 裏通りの絆


【人】 宝飾交易 黍炉

 関係ないと決めつけるのは早い。
 ……が、お前の親父さんが……――そうか。

[ケヴィンとは逆に、男に父親は居たことがない。
だからこそ彼の父親に憧れていた気持ちはまだ残っていて、それが少しだけきしきしと音をたてた。
手紙を送っていただけではなく、送金もしていたと言う。
一体誰に何のために? しかしパン屋の店主が送る程度の金額で、命が動くと言うのもよくわからない話である。]

 この時代に送金しつつ、手紙、か……
 どこから来てた手紙だったんだ?

[言いたくないなら良いが、と付け足す前に国の名前をケヴィンは口にした。
ここより北だ。ずっと冷え込む地域。雪がたくさん降る場所。
男がその場所について知っていたのは、その程度のこと。]

(951) 2014/01/24(Fri) 21時頃

← ↓ ■ □

ツール

クリップボード

ピックアップ

>>【】