関係ないと決めつけるのは早い。 ……が、お前の親父さんが……――そうか。[ケヴィンとは逆に、男に父親は居たことがない。だからこそ彼の父親に憧れていた気持ちはまだ残っていて、それが少しだけきしきしと音をたてた。手紙を送っていただけではなく、送金もしていたと言う。一体誰に何のために? しかしパン屋の店主が送る程度の金額で、命が動くと言うのもよくわからない話である。] この時代に送金しつつ、手紙、か…… どこから来てた手紙だったんだ?[言いたくないなら良いが、と付け足す前に国の名前をケヴィンは口にした。ここより北だ。ずっと冷え込む地域。雪がたくさん降る場所。男がその場所について知っていたのは、その程度のこと。]
(951) 2014/01/24(Fri) 21時頃