— 回想:淡く抱いていた何か —
[>>717そんなこんなで、庶務は頼まれるがままに雑用をこなしていた。
衣装作りのスキルなんてなかったので、一色さんに教わるがままに。
ちょっと不格好な部分はできたけれど、形にはなったとは思う。
……さて、正直に話をしよう。
この一色さんという女子のことは、かわいらしい見た目の人であることは疑いようもない。
女子に耐性なんて皆無な黄楊 靖利は、そりゃまあ、“落ちた”。
華やかな彼女とはあまり会話は多いほうではなく、交友関係も全く知らない。
知らないのだけど、それでも一目で興味を持ってしまうくらいの魅力が、彼女にはあった。
会話の数が増えたのは、他でもない、文化祭の準備期間。
ほぼ一方的に指示を受けながらではあるが、彼女の手伝いをしていた時間は、
……まあ、うん、充実していた。]
(833) 2018/08/21(Tue) 02時半頃