[ せんせの後ろ頭へ片手を回したまま 身じろぐこともできずに、長い髪を握り締めた。 長いまつげが伏せられて 瞳に滲むなにかを わたしはどう扱ったらいいのかもわからずに ただ、ただ、見つめるばかり。 何かを言おうとした喉が、からりと乾いて貼り付く。 それでもわたしは 息を絞った。 ] だめじゃ……ないよ せんせは、だめなせんせいなんかじゃない。 悲しいことは、わすれないってことだもの。 会えなくってさみしいのは…… わたしもおなじ。[ 蘇るのは、両手に乗った小鳥の温度と重み。]
(825) 2016/10/09(Sun) 20時半頃