[ その他、僕は執念深く工程を重ね、 口許の大きな傷が、一番目立つように、 けれど、そこだけが浮かないように、 注意深く傷を増やしたり、色を置いた。] ──……できたよ。[ しばらくぶりに口を開いた僕は、 きっと、大変満ち足りた声色をしていた。 仕上がりに、満足していた。鏡を差し出す。 カンバス役を買ってでてくれた彼の気分が、 どういうものだったかはわからないが。 それから、驚くべきことに、 僕は、これを楽しんでいたらしい。と気付く。]
(788) 2019/06/07(Fri) 01時半頃