[もう少し、素直に話すべきだった。 その上で焦らず、意図することを伝えればよかった。 彼女の言う通りに頼る意図もあったのを、 話しやすいところからと間違いだった。 バイト時代からの給金の殆どを院に寄付し、 さらに生活費を絞ってコツコツ貯めた10年分の貯金。 孤児が増えなければ急な出費にだって対応できる、 そう言い切れる額の、食費にしては明らかに多い額。 残る人間の中で託せるのは、信頼したのは、 幼馴染として過ごした彼女だと先に話せば、或いは。 そう過りはすれど後悔はいつだって先に立たず、 噛んだ唇の痛みに縋り彼女の焦燥をただ受けながら]
(757) 2018/11/29(Thu) 18時半頃