[ふわ、と急にねむけが襲い寄る。
少し疲れたのかな、なんて、あたしは存外呑気に考えていた。
白いつぼみがその絡まりをゆるく解いて、ぽつぽつと花を付ける。
あたしは見えないそれを、せんせいの声で知った。>>724>>730]
わ、せんせい、
おっきな声、出るんだねえ…
[ああ、嬉しいな。なんて思うのはきっと不謹慎で、内緒のこと。
抱き締めてくる腕はいままでで一番強くって、ぽん、と背中を撫でた]
だめだよ、せんせい。
わかっていたでしょう?
[宥める声は、がっこうでせんせいたちにしてもらっていたみたいに甘ったるい。
どっちがせんせいなんだか分からないよ、って笑うけれど、"せんせい"って関係はずっとまえに終わってしまったんだっけ。
それでも、教わることばかりの一生だったから、なんとなくせんせいと呼び続けてしまった]
(752) iori427 2016/10/23(Sun) 21時半頃