─回想:届かない腕─
[いたずらの主なターゲットのホレーショーせんせいは、眠れない夜には、おはなしをしてくれるの>>610
絵本でも読んだことのないおはなしは、わたしを夢中にさせてくれるものだったわ。
だから暗い夜にも抜け出して、わたしはお星さまを探しに行ったの。
三つ並ぶ綺羅星を。流れ落ちてしまう無数の星を]
おんなじ空を見たら、わたし達のいとは、切れない。
[あの時>>635も。
確かめるようにシルクが尋ねたように感じて、わたしはあの子同じ言葉を繰り返したわ。
より強く、そう感じられるように。
わたしがよく口遊む歌>>636をあの子も好きだというのなら、一緒に歌ってみましょうって何度も歌ったわ。
みんなも聞いてくれるならみんなにも教えたかもしれない、星の唄。
“わたしはあなたの手がすきよ”
シルクにはいつかそういったけれど、覚えてくれているかしら。
夜道を散歩しながらわたしは空を見上げたの]
(699) 2016/10/09(Sun) 15時半頃