[閉じた学び舎の世界は、広くこそないかもしれないけれど、少女たち、先生たちと過ごした時間はかけがえのないものだ。もし、少女が不安を口にしていたら。星のように輝く思い出の数々を取り出して、そんなことなかったよと言い切ってあげられるのに。] ——かもしれない。[気づきたいと思いながら、うまく汲み取れない獣に、少女は全身で声を伝えていてくれた。ゆっくりと伝えたいことを奥から取り出して。一所懸命になる姿、繊細にものごとを感じる姿。見せてくれる様々な表情が透明な人生に色をつけていった。そのことを言葉にするにはまだ獣の方も拙すぎたけれど。]
(666) 2016/10/12(Wed) 01時半頃