199 獣[せんせい]と少女 2


【人】 逃亡者 メルヤ

[閉じた学び舎の世界は、広くこそないかもしれないけれど、
少女たち、先生たちと過ごした時間はかけがえのないものだ。

もし、少女が不安を口にしていたら。
星のように輝く思い出の数々を取り出して、
そんなことなかったよと言い切ってあげられるのに。]

 ——かもしれない。

[気づきたいと思いながら、うまく汲み取れない獣に、
少女は全身で声を伝えていてくれた。
ゆっくりと伝えたいことを奥から取り出して。

一所懸命になる姿、繊細にものごとを感じる姿。
見せてくれる様々な表情が透明な人生に色をつけていった。
そのことを言葉にするにはまだ獣の方も拙すぎたけれど。]

(666) 2016/10/12(Wed) 01時半頃

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