うん、事故…だと、俺も思ってる。
[今は。と、裡で付け加える。
それを言葉にしなかったのは、自分がそうであって欲しいと思っていたからだ。
小さな溜息と共にゆっくり目を伏せる。リセに倣い黙祷を捧げているようにも見える姿は、体にまた違和を感じていて。
目に見える変化ではなく、けれども何かに気付き始めている。緩く握るのは掌。]
…患者の安否を確かめるためにも、
一度みんなに食堂に集まってもらおうって思ってたんだけど…
体力的にきついなら無理強いはしないよ。
俺がここで、リセ達を確認できてるからね。
[そこまで言ってから、少し窺うようにチョコレート色がリセを見る。呼び捨てだけではなく、呼びやすいように勝手に名前を切ったことだ。その呼び名は幼い頃呼んでいたものと同じで、けれども目の前の青年があの少女(少年だったわけだが)だったとはまだ気付かない。]
(661) 2010/09/18(Sat) 02時半頃