[茜色が海へと溶けていく水平線が窓ガラスに映る。青色と赤色をした竜の、黒い影が夕陽に照らされて部屋の中へ長く落ちた。竜は止めたはずの生まれて初めての雫をぼろぼろと落としながら生まれてきて二度目の"食事"をする。その味は、竜のしっていたとおり少女の宣言したとおり葡萄よりも甘い。少女から最後に貰ったいのちが瞳から溢れているからそれも共に余すところなく感じる味は海の水のように塩辛い分、一層、甘かった。]
(638) dix73 2016/10/23(Sun) 15時半頃