[それからというもの、別の意味でばたばたとした日々だ。
できるだけシルクの望み通りにしようと、飾る花と、ブーケの花とを選んでもらったり。
いつでもいい場所とはいえ、呼ぶ人と、手伝いを頼む人たちとの都合を考えて、日取りを決めたり。
形式に則った結婚式を望まないシルクに、ドレスくらいは着てほしいって、頼み込んだり。
その分、おれ自身もちゃんとタキシードを用意することになったり。
ウェディングケーキは、街にあるホテルにちょうど縁があって、そこのつてでお願いした。
立食の料理は、看板娘が評判のカフェに。
テーブルフラワーの花器は、一輪挿しの少女に、話を聞いて。親方に蛍袋の白い花模したものを、作ってもらった。
引き出物には、かさばらないようにと、ちょっとした有名メーカーのセンスのいいボールペンを。
めまぐるしく過ぎていく時間は、けれど今まで過ごしてきた時間のどれよりも、幸せだったように思う。]
(591) mmsk 2015/12/24(Thu) 00時半頃