— 8:50 3F 美術準備室 —
[この世界のチャイムが鳴る。
3Fの美術準備室。
そこの扉の前には、脱ぎ捨てられた上履きが落ちている。
扉を開けば、暖まっている室温が漏れ出すだろう。
暖房を確認すれば、服を着ているなら蒸し暑く感じるほどの高い温度が設定されていることに気付けるか。
部屋の中に見えるのは、片付けられた机や椅子、そして画材の数々。
そして、真ん中のモデル台の上に横たわっている、何も服を着ていないマネキン。
その体型と、セミロングの髪のウィッグは、天ケ瀬ささらの特徴そのまま。
何が原因なのか、後頭部にはヒビが入っており、そこから赤黒い血が流れ出ている。
マネキンのすぐ近くには、女子の制服のブレザー、スカート、そしてブラウスやタイツや、薄青色の上下の下着までもが、
丁寧に畳んで置かれていて、まるでマネキンが脱いだ服のように見えるだろう。]
(566) 2017/03/14(Tue) 00時頃