[そのまま、何事もなかったような素振りで、レストランへと足を向ける。様相は常と同じもの、所詮代わりの効く存在なのに愛される為に努力する、愛玩動物に似た振る舞い。装う無邪気は装うばかりではなかったのに、先ほどの告白が尾を引いて、時折沈黙はおりる。食事の飲み物には、アップルティーを選んだ]
毒入りなんだ。
[性質の悪い冗談をひとつ言い、>>511彼に聞いた酷いことをふと思い出す、懐古混じりの言葉はきっと何かの経験に裏打ちされたものだろう。思えば、やっぱりさみしがりやだよ、とぽつり零した。だからといって、冷えたものを取り戻せるわけでもなく。
食事が終われば、腕の手当てに向かうつもり。
じくじくと痛む腕、施された赤の意味をまだ知らない。
けれど、土足で踏みにじられた雪は、きっと無残に穢れてしまう。
火靴を履いて踊らされるのは、姫ではなくてその母親
――――悪い魔女の受ける罰だから*]
(551) 2011/06/21(Tue) 05時頃