―― 茶茶→路地 ――
[店を出た直後、タタタと斜め後ろから軽い足音が聞こえてくる。
小さな手にコートの端を引かれて、一言断ってから、しゃがみこんで子供と視線を合わせた。]
どうした? ……なに?
[子供が教えてくれたのは、教会で銃声が聞こえたということだった。
真っ先に案じたのはベネットのことだったが、彼に何かあればすぐに誰かから知らせがはいるだろう。彼は顔の広い男だ。
強盗やその類が教会に押し入った線は捨てる。
一方で警察の捕物もないようだから、何か事件が起きたというわけでもあるまい。
そうなるとかなり可能性は絞られてきており、そこで思い出したのは先日老婆からもらった情報についてだった。>>0:208]
ふむ。神父は元気か。
そうか、ならいい。
[お礼に僅かばかりの小銭を落とす。
ついでに子供の頭をくしゃくしゃと撫でて立ち上がった。]
(545) 2014/01/22(Wed) 23時半頃