ルーカスは、いつ強大な敵と戦うことになるか分からないじゃないか。
いざという時に風邪で力を発揮できなくてもいいの?
僕のことは本当にいいから。
[何とかコートを受け取ってもらえないか、相手を乗せようとしてみる。
むろん、ルーカスが強大な敵と戦うことになる日なんて来るわけも無い。
困ったように眉を寄せるが、相手も頑なすぎる。]
一般人には遅れを取らなくても、それこそ今はええと。
闇に飲まれ敵対する神官の総元締めだっけ?、それがいつ襲ってくるか分からないじゃないか。
このコートだって、特別な力を持ってるんだろ?
[どう見ても普通のあったかなコートでしかない。
寒空の下で持っていたら、着たくなる魔力はあるけれども、それはただ寒いからだ。]
……一度、僕が着たら、返していい?
[相手の機嫌を取るように妥協案を告げてみる。さて、頑なな相手は飲んでくれるだろうか。]
(543) 2013/12/07(Sat) 23時頃