[其処に、飛んできたのは緋い目の蛇。>>490
( ……ではなく、無骨な鉄鎖、 )
それが、獲物を喰らうよう伸びれば、“丸呑みする”と云われる通りに海月の頭に喰らい付いたせいか。
ぱ、水飛沫よりは硝子のような欠片を散らして転がり落ちた。
まあ、諦めが悪いもんで、必死の有様で尚手を伸ばす様子は或る意味、見苦しい程の足掻きにも近い。>>#17
だから、最小限、最低限度の動きで。
彼らの視界に入らないよう、木刀の柄の方で、その手を叩きつけてだけおいた。
伸ばす先を、断つように。
そうして、海月の消えるより先に、もう少し身を引いては店の前から離れた。>>#18]
はは、…まさか、女子と子どもを割ってまで。
そんな行動は父様でも私でもありませんから。
(先生だって、望まないでしょう、
“絶対にない”行動をする“輝久”などは。)
(538) 2017/06/15(Thu) 01時頃