[年上の甥という奇妙な血縁者に対し、
家族的以外の感情を自覚した時期は覚えていない。
でも、見上げる距離が全く縮まらなかったことに、
何故だか無性に焦っていたのは覚えている。
入院中に見舞いに来てくれるのは嬉しかったというのに、
それ以降風呂でばったり会った時、妙に動揺してしまったり。
食べかけのホットドッグをかじられた後、食べづらかったり。
甥っ子が独り暮らしを始め、もう開くことのなくなったドアに
寂しさを感じて暫くした後、自覚してしまった。
叔父として見られたくなかったことに。
一人の男として認められたくて、恋焦がれていたことに。
有り得ないと何度も否定し続けては、
誕生祝いで変なプレゼントを持って顔を見せて来るあいつに、
また聞いて来たわよ、と電話を切った後から告げられる
姉からの言葉に喜んでしまう自分がいるのも、事実で。>>493]
(526) 2015/11/22(Sun) 23時半頃