怖くて結構
この威勢のよさでここまで上り詰めてきたのさ
[いや、そういう意味じゃない、とは思うのだけど。自らの矜持(むしろ狂気)に誇りがありすぎるのが、彼女の致命的な傷。ふんっ、と鼻で笑ってみせたら、次に帰ってきた男の言葉に露骨に眉をひそめ――二本目の匕首に指をかけた。]
あ゛?
――……、アタシの、どこに、女としての武器があるって!?
[勢いで言い切った割には、自らの言葉にショックを受けているようで。匕首にかけた指がカタカタ震えてるように見える。ちなみに彼女の戦い方は至極豪快で……人のことなんて、言えた口じゃない。]
――――……マーゴ?
[ふと、物音が聞こえた気がして。そちらを振り返ると顔見知りの黒髪の少女と、確かどこかで知ったのだろうか、情報上で見たことがあるような気がする少女の姿を見て。彼の呟きは聞こえなかったようだ。]
(524) 2014/11/04(Tue) 22時半頃