「そういや、どーだったんら。圭一くん。
会えたんらて?」
[久しぶりの息子に会えたことがそんなにも嬉しいのか、ぺちゃくちゃと話しかけてくる親父に相槌を打って流れる外の景色を追う。]
─回想 MORIタワーにて─
[次の日曜、と宣言してMORIタワー内のカフェで仕事をしていればちいとは優雅に見えただろうか。流行りのインスナのアカウント取得してアップロードしてやろうか、などとリア充騙りの計画を思い浮かべたところで、それらしい影が見えた。
遠巻きの女子は彼を見てヒソヒソと話をしているもんだから
まったく、花には事欠かない男である。]
よぉ…、久しぶりだな。圭一。
[高校生から何ら変わってないと思った彼の姿から一変して
あの時のあどけない、幼さが残る顔は精悍な顔つきに。
きっとそれは溢れ出る自信やオーラのようなものもあるのだろうが。]
(519) miduno 2016/06/23(Thu) 01時頃