―― 温泉 ――
Wow…
[なめてました。温泉。なんですかこれとても寒い。しにます。
ぴう、と吹き抜ける風は問答無用で体温を奪っていくし、足裏からは濡れた床が刺すような冷たさで攻撃してくる。一応フェイスタオルを持ってきたけれど、これでは防御力が低すぎる。あとこれ頭にのせるんでしたっけ?]
うううううううめぞのサン…!
[なんとなく、湯気の向こう、自分が出てきた入り口じゃないところに、女性が立っている気がして声をかけてみた。そうして身体を強張らせたまま近付いてみたら]
わ
[流している髪をアップにして、あらわになったうなじから鎖骨、むき出しの肩のラインに目を奪われる。寒さからか赤くなった頬と指先が、己の心をみだして。
バスタオルなど、隠したうちに入らない。むしろ、その布切れ一枚という状況が、さらに妄想を掻き立てるのだ。
そう、つまり]
梅園サン やばいです それ、だめ…
[素直な自身は寒さなどなんのその。しっかり主張したまま隠せる唯一の手段は頭の上である。*]
(517) 2015/12/08(Tue) 21時頃