[みんなが思い思いに日常を謳歌する中。
そこに紛れて見られていた>>493なんてことには気付かなかった。
自分にとってのモスキートと言えば本の虫>>25というイメージだった。
巨大書庫。元来からあまり文献に目を通さない自分からすれば本特有の臭いも得意ではなかったのだけど、ただ一度訪れた時に黒い手袋で覆われた手に、腕を伸ばして引き止めたことがあった。]
料理についての本を探しているんだが。
[それはかつて自分が料理にのめり込む前の話。
困ったように眉を寄せては今は隠している獅子の耳を丸出しに、]
何でも命の尊さについて学ぶべきだと言われてな。
[声を顰めたのは無意識。
まだ獣としても少し若かった時のことを彼が覚えているかどうかは分からぬところだけども、結局料理を始めるきっかけにはなったのはこの一件の後だった。]*
(516) 2015/10/07(Wed) 23時頃