―大学―
[大学へは急いでいた。だから、ポケットの中で振動する携帯には気付かなかった。]
あれ……?誰だろ。
[大学構内で授業に間に合うか時計を確認しようと携帯を取り出せば、着信が数件。
そして、ちょうど電話>>454がかかってくる。]
もしもし……。
あ、はい、エリアスです。雑貨屋さんの?早速、お電話ありがとうございました。
すみません。今からは授業なので、授業終わった夕方頃にお伺いさせていただくので問題ありませんか?
[雑貨屋の主からの丁寧な口調の電話にはこちらの方が恐縮してしまう。夕方の都合を聞き、都合が良い時間をメモしておく。]
はい、それではまた後で。宜しくお願いします。
[通話を切った後、小さくガッツポーズする。バイトを断られるなら、きっと電話で断られている。望みがありそうだ。
今手元には今朝の交通整理のアルバイト代がある。
もしも、雑貨屋のバイトが決まれば、電気代を優先的に払おう。それくらいの余裕はある。
これから起こる大惨事を知らない学生は上機嫌で授業へと向かった。*]
(513) 2013/12/09(Mon) 20時半頃