[親身になって探してくれた上に、自分のことのように喜んでくれる彼女に、立ち上がってもう一度頭を下げる。>>505]
いや、白だと汚れ目立つだろ。
もし汚れがとれなかったら
クリーニング代もつから言ってくれよ。
[そして自己紹介すれば、もう一度下がる頭。
彼女のお辞儀の仕草から楚々とした印象を受けるのは、白いワンピースだからというわけではなさそうだ。
彼女に習い、自分もズボンについた草露を払って。
掌を開けば、そこに乗った指輪をもう一度見つめて目を細めた後。今度こそ、ジャケットのポケットにしっかりと納めて。]
……ああ。
腹ごしらえに戻ろうと思ってたとこだったんだ。
じゃ、お言葉に甘えてご一緒させてもらおうかな。
[そうと決まれば彼女が歩き出すのを待って、隣に並ぼうか。
ゆっくりとした歩調は、隣の速度に合わせる形で。]
(513) 2020/03/27(Fri) 00時頃