[>>490本の内容に没頭していたものだから、名前を呼ばれて新兵のように立ち上がってしまった。
読みかけの本のページに、指を栞代わりとして挟んだまま原稿を受け取る。
合格、の一言に唇で弧を描きながら。]
ふふ、この原稿で合格くれるなら、聖書を読むよりも料理本を読んだ方が面白いのが書けるかもしれないよ。
先生。
[相手が言いたいのはそういう事ではないのだろうが。反論が帰ってきても、原稿用紙を折り畳んだであろう。
少しの時間でもいい。ただ、これからする質問に対するホレーショーの反応が気になった。
周囲には聞こえないように口の端に手で壁を作る。]
ねぇ…ホレーショーさん。
ボクね、最近の学校内で流れている噂が怖いんだ。
――黒魔術の話さ。
ホレーショーさんは、この学校に長いこと就いているだろう?
[思い出したのは、昼間、ミナカタから聞いた噂話の一端。]
(511) 2014/06/21(Sat) 01時頃