─回想:幼馴染の家庭事情─
[こいつが怒る時ってどんな時だっけ。
初めてチビ扱いした時。
父親が出て行った時。
中学で初めて出来た彼女に浮気された時。
どんな時でも傍にいたけども、こいつが見せる反応はどんなだったか。
家が近所なのもあって何気なく連んでいる内に古馴染みとなった慶太とはそれなりに互いの家族についても打ち明ける仲だ。
彼の事情>>503を知っている。
また、彼も俺の母親が昔舞台に立っていた事だって知っている。
昔、俺がそれで役者だとかに興味があったことも。
母は慶太の事を気に入っていた。
それは息子に出来た友達というのもあったけども、元脚本家だっていう慶太の親父>>320の作品を母がいたく気に入っていたから。
だからまだ俺の家族がまるい円みたくお綺麗な関係を築いていた頃は、慶太の事もよく家に呼んだ。
その時は決まって甘いケーキとミルクの入った紅茶を用意して、だいふくと名付けられた白猫の鳴き声といっしょに出迎えてた]
(510) 2016/09/14(Wed) 02時頃