[そう告げてから、加賀さんの話に耳を傾ける。
「お兄さん」の落ち着いた低音はとても耳に優しくて
それでいて染み入るようにすっと馴染んで
――ああ、貫禄ってこういうこと、なのかなって
受け売りだと彼は言うけれども
そして彼にそれを売ってくれた人に密かに感謝はしつつ]
そっか……。
ヒトも、天使も、みんな同じ、か。
恋をしてもあたしはあたしだし…加賀さんは加賀さん。
あたし…もしかしたら、実感がなかったのかも。
だから、わからないものに対して、怖がってたのかも。
でも、恋をしても…その人はその人なら。
そんなに怖がることじゃないのかもしれない、ですね。
[ここにきて一つの答えが出たような
それでもまだ、希望用紙が空白のままである以上は
スッパリキッパリ頷くことはできはしないのだけれど]
(507) 2020/03/29(Sun) 00時半頃