― 前日のこと ―
[ヘクターせんせいの言葉は、すこし難しかったかもしれない。>>455
せんせいが「ひとりになりたい」って思っていたこと、あたしは知らないから、あたしだったらそばにいてほしいのにって、ごっちゃにしちゃったのかもしれない。
もしくは、せんせいの悲しい顔をみたのに何もできなかった自分に対してか。
まだわかったようなわからないような顔をしているけれど、でも、こくんと頷いた。
きっと分かる日がくるから、そのときまで脳に刻んでおく。それが、糧と成る少女の役目でもあると思うから。
ふたりが仲直りできない、なんて思っていなかったけれど、ずっと気になっていたのは本当。
だから、ふたりで旅に出るんだってきいて、あたしはすごく嬉しかった。
よかった、って喜んで、おもわずぎゅって抱き付いちゃった。ちょっと、大袈裟だったかな?]
(505) 2016/10/15(Sat) 21時半頃