[ルーカスが何故か涙目で洗面器を取りに行くのを止める元気もない。
衛生兵…、それが今回の設定なのだろうか。駄目だ、全く頭がついていかない。]
もう、放っておいて―――。
[ドタドタ、バタバタその音も、乗り物酔いの自分にはきつく感じる。
洗面器やペットボトルを放らないでほしい。でも、文句を言えるような性格でもないし、彼が自分を案じてくれているのは分かっている。
力なくそう言って、ルーカスに背を向けた。しばらく落ち着いていれば、戻るはず。
落ち着いたら、ルーカスにこんな嫌がらせをした理由を聞かなければならない。]
あぁ、もうっ!だから、吐けないって!……黙ってて。
[相手の偉そうな言い方にはもう慣れている。でも、さすがに吐けないのに、吐け吐け言われても困る。
繰り返して言うが、繊細なのだ。人前で吐けるわけもない。男同士でも嫌だ。人様の家を汚したくない。
それに、華奢な青年は吐こうとしても吐けない体質だ。大体、吐くなんて勿体無さ過ぎるそんな理由もある。]
(505) 2013/12/11(Wed) 23時半頃