[一人生き延びる…その苦しみは今は想像したくもなかった。
ヨーランダの言葉は、ファルケンの王族として、血を絶やさぬためとも聞こえた。
今は、彼が自分に生きていて欲しいと願ってくれていることまで、気が回らない]
……軍の中に…っ
[もしヨーランダの言うとおり軍の中に彼の知り合いがいるのなら、
即効力を以って一旦の対処とすることができる。
示された希望に、縋るような思いで、握られた手を握り返す]
すまない…
私は、あなたを守っていたつもりで…守られて、助けられてばかりだな
ありがとう…
連れて行ってくれ。
ファルケンの王族として―――嘆願したい。
[ヨーランダの前、馬へとまたがると身を任せ、サラサを迂回するよう手綱を握る手に手を添える。
サラサを迂回すれば砂漠の行程は伸びる。それもまた、易しい道のりではないだろう**]
(489) 2013/01/18(Fri) 01時頃