[少しの飲み物、食べ物、防寒具。
そして少しの夜長に手記を見て知った”下級種に効きそうなもの”で一般的に手に入る物。
荷物を背負い家から駆けだすと、商店街を避けて、薬屋を避けて、自警団の居場所を避けて走り出す。
今では噂の対象はわたしかもしれないのだ。
しかしながら、どうやらそうではない気配もする。
いや、むしろわたしのことなどどうでもいいような大きな何かが起こっているようだ。
人の流れが外に…閉鎖ゲートに向いている。
まさか…
人が集まっている。
ちらほらと、出て行く人が居る。
ただ集まって、噂だけをしている人も居る。
出て行ったって、死ぬだけじゃないか、と。
ゲート付近まで身を隠すように行くと、何気なく外へと出た。
暫く歩いた、そして走った。]
(472) wallander 2018/12/19(Wed) 00時頃