― あさの食堂 ―
[ニコラスせんせいは、きのうどんないちにちを過ごしたんだろう。
ゆっくりと聞いている時間はないかもしれないけれど、せんせいのお顔は昨日よりも晴れやかに見えたような気がしたから]
せんせい、おはよう。
たくさん寝たよ。シルクちゃんと、いっしょに!
[少女の方はと言えば、おはようの挨拶は笑顔で言えたけれど>>440、ぱんぱんで整理しきれていないかばんが、おおよそ昨日の夜を物語っていた。
いっしょに抱き合ってねむったこと、はなすのが少し恥ずかしくって言わなかった。
正真正銘ちいさな10歳の少女だけれど、すこし背伸びしてみたくなった。なきむしエリと二人きりなんて、せんせいはきっと困っちゃうんだって思ったから。
せんせいが、あたしを見てくれるときの目が、優しくってだいすき。
あたしのこと、いっとう特別に扱ってくれないかな…――なんて、自惚れたことを思う。
これが自惚れじゃあないんだって、さいごのときに思えるように。
あたしはせんせいの手に触れなくっても、せんせい視線の先を、言葉を、歩いてきた道も、ぜんぶ覚えていきたいんだ]
(470) 2016/10/15(Sat) 20時頃