[ニコラスせんせいがあたしたちを撫でないの、あたしはずっと前からきづいてたの。
おててを繋いだりしないのも、知っていたの。
あたしよりもあまえるのが上手な少女たちは、きっとニコラスせんせいに撫でてとせがむことが、ときどきあった。>>403
けれどいつも、せんせいは少しさみしい顔でそれを断る。>>405
だから、断られる、って分かっていた。>>445
分かっていたけれど、分かっていたのに、しゅんとうなだれてしまう。
これはわがままだって、分かってる。せんせいはそれを出来ないんだって、あたしだけ特別扱いをしてくれたりはしない、って。
どんな事情かわからないけれど、物分りの良いふりして、おねえさんぶってみせるのは、少女にはむずかしい。
でもね、いまはせんせいのお陰で、ちょっと元気だから。
泣かなかったし、でも、べつのわがままを言っちゃおうって]
(470) 2016/10/08(Sat) 20時半頃