………これはしょっぱくないブラウニー?
[以前口にしたのは塩辛い茶色い菓子だった
その事を頭に過ぎらせ、不安そうな瞳を向ける。
「ぼくはブラウニーが好物なんだ」と告げて焼いて貰った時、
出来上がった菓子に甘い事を期待して口に運んだものだから、
目を白黒させて驚いたという顛末は、確か2年前…。
連日と出立が相次いで、もうやだと駄々を捏ねたあの日。>>441]
…いただきます。
[アランが口を付けてしょっぱいと言わないのを確認し、
男もブラウニーにフォークを通して行儀よく口に運ぶ。
少しだけ焦げた味がしたが、クリームで調和されて甘い。
柔和な笑みを見せ、美味しいと感想を落とした。
「何か」を宿して数ヶ月経ている。
それが原因かは解らないが、食が太くなった。
それでも腹以外は重くならないのだから、不思議なもの。
機嫌良くブラウニーを消費していく唇と腹。]
(467) motimoti 2014/02/12(Wed) 00時半頃