― 往診中 ―
[何も言わず、何も聞かない。
治療に関係のないことは知る必要がなかった。
ただ、この街の裏側で日々起こっている事件について全てを何も知らない、で通し続けるのは難しい。
ベネディクトも、鍼灸医院から先代の主を消して新たにミナカタにすげ替えたのがこの辺りを牛耳るマフィアだということは知っているだろうと思う]
レオーネの連絡員から、キナ臭い怪我を診たら報告するよう言われている
[助祭の腕から輸血用の採血をしながら、低く確かめた]
俺が自分の立場を守ると、俺の患者に危険が及ぶか?
[肯定が返ればただ頷くつもりだった。既に把握しているはずだとわかれば、やはりただ頷いて採血を続ける。
0.5Lほどの血液を抜いた男には、水分と休養をとってから活動するように言い含めた。
クラクラするのは煙草の煙のせい、だとしてもそれは知らん]
(462) 2014/01/28(Tue) 15時頃