[男は、それから月に一度は花屋を訪れる。晴れでも雨でも、欠かさずささやかな花を買い求める。その日語らう相手は、今は姿なき愛しいひと。8年前のあの日きり、荒れた様子を誰にも見せたことはない。ただ。今も月に一度は、一人きりで妻の元を訪れる。それに誰かを伴うことも、また、未だないのだ*]
(459) 2015/05/11(Mon) 01時頃