[>>448 洗脳。
思い掛けない言葉に一度目を見開き、ゆっくりと瞼を伏せる。
やはり彼は何も分かっていないのだと知るには、その一言で十分だった。
彼は己を警戒する素振りで、その実、きっと己が自らの意思で組織を裏切るなどと考えてすらいない。強く、そして傲慢で、憐れだ。]
…………ならば、J。
貴方が僕を尋問すればいい。
僕がこの三日間、どんな風にオークに犯されて、汚されたのか、
……僕がそれを、どんな風に受け入れたのか。
僕は全てを包み隠さず、正直に話すと誓います。
それが、他の対魔忍にとっても有益な情報になるでしょうから。
[顔は上げない。いかにも傷つく素振りを作ったまま、硬い声で言葉を紡ぐ。
顔を上げればきっと、笑ってしまう。だから。
壁で蠢く触手を通じ、直円はこの光景を把握しているだろう。
下手な三文芝居ではあるが、直円が喜んでくれれば、ご褒美を貰えるに違いないと信じて疑わず。
下唇を噛み、ふ、と重苦しい息を吐いて、酷い陵辱の記憶に耐えるフリ。Jにも、橘にも、ヤナギにも、可哀想な自分を見せつけるかのような姿勢は、二人の姿が消えるまで保ったまま。**]
(455) 2016/06/06(Mon) 09時頃