─七年目の夏─
[この頃からわたしは、よく眠るようになったの。
髪の色もミルクティーよりも薄い色をしていたわ。
あなたが好きな紅茶を淹れられるように何度も練習したわね。
おやつに選んだのは、アップルパイ。
参考にしたのは、昔だいすきだった焼き林檎。
今でも飾っている青い星の刺繍を撫でながら、針に糸を通すの。
カップの下に敷くものが欲しいなぁと思って、ね。
あなたのお誕生会はいつかしら。
わたし、旅に出て間もない頃に聞いたわ。
それがあの日教えてくれた、かなしいおはなしの日だとするなら、あなたが寂しさを覚えた日を喜びに感じる日に変えるわって意気込んでわたし、いつでもなんでもしたわね。
だってわたし、いたずらは得意よ?
落とし穴に、ビックリ箱。サプライズをたくさんたくさん考えた。
時には街の子供たちにも協力してもらったの。
お駄賃に作ったのはドライフルーツの入ったクッキーを用意してね。
みんなでお誕生会おめでとうの歌をあなたに送ったわ]
(453) 24kisouth 2016/10/22(Sat) 21時半頃