[自分が逢いたいと思っている半分くらいは彼も思ってくれているだろうか。
はじまりからして強引だった。
男は噛まれなくてもきっとあれから50年以上は生きただろうし、ジャーディンとその眷属のように自身が危険に晒されていた訳でもなかった。
家族でも恋人でもない。
互いに独立した仕事といくつかの方向性が被った興味を持ち、どちらかがいなくても物理的には生きていけるふたりの男が眷属契約を結んで100年あまり。
栄養にならない食事を共に摂ることが、隣で映画を観ることが、呆れられうざがられても強引にするキスが>>121、ごく稀に、それでも述べ回数としてはかなりの数、朝同じベッドで目覚めることが、彼にとっては何一つ自分の意思で求めたものではない生活が、長い年月を経て失うには惜しい一部になってくれていたら。]
(453) 2019/10/12(Sat) 03時半頃