[屋敷の入り口から見る風景、逃げる人と向かう人と行く車。
白が赤に塗り替えられた車は締まる門をすり抜けるようにして向こう側へ。
ぎゅう、と握った制服の裾がしわになる。]
先生!どこ、い
[走り寄ろうとするつもりが。扉を通る人の流れに押され、屋敷の中へ戻される。
瞬間見えた映像を打ち払うように頭を振った。
扉が閉められた時には、庭にいた全員が入った後だったか。すこしでも姿が見えればとにかく屋敷に入るよう、その場の面々が誘導しただろう、と彼は思う。
妙に鼓膜がゴウゴウという音を拾う。門の向こうの車が脳裏に浮かぶ。開いた瞼を閉じられないうちに声が聞こえた>>434]
ここ、に……。武器、あるの。
じゃあ先生助けに行かなきゃ、ぶき、どこ、あったの。
[顰められる表情に気を配る事は出来なかった。早く武器の在処を聞かねば、と気がはやる]
コーネリア。……ロジェ・サンテックス。
ネル。
[ぶつぶつと途切れて聞きにくいだろうが、今の精いっぱいだった]
(443) 2011/12/04(Sun) 23時半頃