[物音で実験の成功を察知して、仕掛け人は門の奥から姿を現した。足元には、本来の用を終えたスプレーの缶。]
よかった、予想通りで…『きっちり狙え、邪魔しな』
[今度の命令の矛先は、自分自身の足。
スニーカーを履いた爪先が缶を蹴飛ばして、地面に転がった拳銃>>437、もしくはそれを拾おうと伸ばされた手を弾こうとするが、上手くいくだろうか。]
だめだよ、そんな危ないもの――あれ、イオリ?
[そこに立ち尽くす人物を認識すれば、道化の仮面は一時的に剥がれて、率直な驚きに声を上げた。
幼い頃から知っている友人の姿に、ゲームが始まって初めて自然に口元が緩む。]
こんなところで会えるなんて、嬉しいよ
この端末、キミのアドレスも覚えていないものだからさ
探しにいこうにも、なかなか上手く行かなくて
[文句を連ねつつ、足を一歩だけ前に踏み出し。元々よく回る舌は、幼馴染を前にして益々滑らかに動き出す。
ここにいるということは、彼にも叶えたい願いがあって、自らの意思でゲームに参加したのか。
――そうだ、彼には教えておかなくちゃ。]
(441) 2014/12/10(Wed) 00時半頃