つう、し、ん。
[>>421そうだ、"せんせい"に連絡を。
肩を揺さぶられて、現状を報告することに思い至るも、何をどう言うのか。
これは何だ。今起きた、この事態を考えてみる。
今の霧の力に負けて、幻影に囚われ駆け出したのか。
遠ざかるような足音は聞こえなかったし、彼自身幻覚に負けるような精神状態ではなかった。
何より、霧については空気の対流ですっかり防いであるし、今の今まで後ろにいた彼が、服すら置いて丸腰で消えた理由は不可解すぎる。
強酸の溶解液。いや、そんな肉の焼けるような匂いはなかったし、そんなにすぐにあの巨躯がどうこうなってしまうようなことは、原理的にありえない。
意識は、はっきりしている。
が、事態に対する困惑が、通信機を持つ手を震えさせて動けない。
何かを言わなければ、という義務感がマイクをONにはさせたものの、言葉は詰まったままだ。
布袋がそこから叫ぶか、奪い取ってしまう方が、おそらく早い**]
(440) 2016/06/06(Mon) 05時半頃