── 珈琲と万年筆 ──[カモミールと眠気覚まし>>250を常用していたのは、今はもういないセイルズの叔父。“再販ではない本”を次々作る珍しい男>>64だった。この区画制度においてヒット作など望むべくもなかったが、男二人が普通に暮らせるだけの本を書き、自身も多くの“新刊”を集めていた辺り、確かに向いてはいたのだろう。 “お前は数字の学問をやれ。 ……絶対にそれがいいから、” 片足を痛めた父が食料となったとき、養父となった叔父は、幼いセイルズへそう言い聞かせた。……普通の仕事は無理だと断じ、文筆で身を立てると成人前から決意した男だ。一芸に依ることしかできない同族達を、それとなく悟ることもできたのだろう]
(440) 2018/11/27(Tue) 01時半頃
sol・la
ななころび
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