―少し前・温室―
[朗らかな歌声に心癒されるひととき>>423
部隊長への印象の違いは、見る側面の違いなのだろうか。
自分は壁の上から動かずに、顎先で指令を飛ばしておきながら、上司へは敬愛に満ちた表情を向けて賞賛だけを奪い取るような、そんな印象が強かった。
『面白いな君は』という言葉>>423を受けて視線が凍りついてしまったのは仕方が無い。
男の髪を結うのが趣味―誤解だが―な彼に、面白いと言われた事に驚いてしまったからだ。
喉元に触れられようとも、殺気を燻らせる事はない。
血を求め強引に奪う輩ではないという安心と、手許に針を持つ為に。
狂った誘いには「生き血で持て成してくれるのなら」と、真顔で返しておいた]
「誰かの夢の中」という発想はなかったな…
現実感とやらは、何処で入手出来るのだろうね
[彼の見解は独特で、会話が素直に楽しかった。
後者は問い掛けた心算は無く、溜息混じりに濁す。
あと数分先、自分にとって不可思議で、けれど続きの気になるシネマスティックな出来事が起こる事を、未だ知らず]
(432) 2014/01/31(Fri) 04時頃