そりゃあそうさ、自分の身の回りの事くらいは出来るよ。
そう、高貴な家の出には、…流石に見えないと思うんだが、如何だろう?
[我ながら、そうは見えない自覚はあるので、皮肉るでも卑下た態度でも無く、有りの侭見た侭だと、伝える様に呑気に笑って、自分を上から下まで掌で指し示して、おどけた素振りで小首を傾げて見せた。
そう云う風に見えそうなのは、どちらかというと、背中の向こうの色違いの方だと思う]
えぇと、俺の名前はもう誰かから聞いたかな?
黍炉、シュウルゥだ。…宜しく。
…良かったら、キミの名前を教えてくれないかい?
[初めて逢った友にするように、人同士でそうするように、自ら先に名乗れば、屈託のない笑みを浮かべて、握手を求める。
彼が名乗ってくれたなら、手を差し伸べてくれたならもっと、
無邪気に心からの喜びを、笑みに滲ませただろう。
昨日の皆の出迎えあっての今日だ、完全に嫌悪されていても仕方ない覚悟で居たから、ほんの少しの安堵を滲ませて。*]
(429) 2014/01/31(Fri) 03時半頃