………、いや。
此方こそすまない、…話の腰を折ったな。
[けれどそんな時に鳴ってくれた腹の虫は、この時ばかりは有難くて。
すみませんなんて言いつつも、笑みを零す貴方>>394には、此方も冗談めかして軽く睨んでみせながら――口元は、少し緩んでいてしまっただろうけれど。
そうして良い区切りだったのだろう、そろそろ同じくらいの温度になった貴方の手は、ベッドの軋む音と共に離れていく。
それに酷く名残惜しい気持ちになりながらも、再び落とされた謝罪には俺もまた "此方こそ" 、と返す他には無かった。
ふわふわしたコートを纏ったまま立ち上がる貴方の姿>>395を見上げつつ、先程まで貴方に触れていた手をそっと、握り。
……一度触れれば、もっと、更にを求めてしまうものなのだろうか、と。
ここに来るよりもずっと増したそんな欲に奥歯を噛み締めつつ、食堂への誘いには表情を和らげて頷いてみせた。]*
(429) 2015/11/22(Sun) 14時頃